南伊豆の漁船被災地へ、NPO輸送費寄付募る【静岡新聞】
2012年09月13日 12:18
東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の漁師に漁船を贈ろうと、南伊豆町を中心に地域づくり活動を展開するNPO法人「伊豆未来塾」(渡辺力理事長)は、同町の住民から寄贈された漁船2隻を現地まで輸送する費用約30万円の寄付を呼び掛けている。
漁船は同町中木の山口柳二さん(44)らが寄贈した「良丸」(0・6トン)と「豊丸」(同)。山口さんらが約80万円をかけて今後船底の塗装や船外機の修理を行うという。
山口さんの経営するダイビングショップに5月、陸前高田市で被災した男性客が訪れたのがきっかけ。男性の父親が勤務する陸前高田市の漁協は、津波で多数の漁船が流され、カキの養殖などに支障を来していることを打ち明けられた。
38年前の「伊豆半島沖地震」で母親と祖母を亡くした山口さんは「自分は被災者の気持ちがよく分かる。少しでも力になりたいと思った」と話す。
現地ではカキの稚貝を海中に沈める作業が9月にピークを迎える。
渡辺理事長は「今月中に届ける必要があるが、船の修繕などに金が相当程度かかる。陸路で輸送する金は寄付で何とか賄いたい」と話す。
寄付の問い合わせなどは伊豆未来塾<電0558(65)0777>へ。